三ノ輪に位置する外国人バックパッカー向けの小規模旅館である。建築コンセプトは、日本の伝統的な照明器具「行燈」を現代的に再解釈することに置かれている。外装は障子を思わせるアクリルパネル、DDPG(ドットポイントガラス)による水平ルーパー、パンチングメタルといった多種多様な素材を組み合わせた積層構成をとる。
夜間、内部から漏れ出す照明の光が建物全体を「巨大な行燈」のように浮かび上がらせ、下町の街路に柔らかい光を灯す装置として機能する。内部空間においては、安価な材料を塗り重ねたカルペイント仕上げや、アルミアングル、フラットバー、ラスの組み合わせなど、素材のテクスチャを強調する手法が随所に見られる。限られた敷地面積の中で、吹き抜けのロビーやジャグジー、屋上テラスを配し、宿泊客同士や地域住民との交流を促す「開かれた溜まり」としての空間を創出している。
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