熊野本宮大社の門前に建ち、「スギの木の林立するような建物、その木洩れ日の光で満たされた空間」を理念に掲げたビジターセンターである。建物全体は、前方から後方へ高く伸びる巨大な一枚の片流れ屋根に包まれ、中心軸を境に多目的ホール棟と案内・展示棟の2棟で構成されている。構造の核となるのは、地元産の無垢のスギ材を用いた8寸角(242mm)の柱群であり、一間半(2.73m)の格子状に配置することで、熊野の深い森を彷彿とさせる空間を実現した。多目的ホールは、上部が正方形、下部が正八角形となる複雑な木組構造を持ち、その隙間から降り注ぐ天空光が「崇高な木洩れ日」を演出する。集成材ではなく一本一本に個性のある無垢材にこだわり、地域の素材と伝統的な木組技術によって、世界遺産にふさわしい精神性の高い場を構築している。
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