東日本大震災で被災した精密機器工場の全面建て替えプロジェクトである。既存の工場を操業しながら段階的に工事を進めるため、ひたちなか市初の「全体計画認定」を受け、2期にわたる増築・改修が行われた。
「雑木林の中の大きな家のような工場」をコンセプトに、精密機器の組み立てを行う「人が主体」の空間として設計されている。住宅地に馴染むよう、工場特有の巨大なボリュームを避け、家が連なったような親しみやすい外装デザインが採用された。内部は高い精度が要求される光学調整作業に適した明るく清潔な環境を確保しつつ、社員の交流を促すヒューマンなスケールの執務空間が構築されている。工場の新たなあり方を提示する「秘密基地」のような遊び心のある空間構成が、周辺の住宅環境と調和しながら、震災からの復興と企業の新たな象徴としての役割を担っている。
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