1933年竣工の旧朝香宮邸(重要文化財)の保存修復と、展示機能を拡張する新館の建設を含む再整備プロジェクトである。アール・デコ様式の精華とされる本館では、創建時の意匠を可能な限り保存・復元しつつ、最新の展示照明や空調システムを歴史的内装と干渉させずに統合した。
新たに建設された新館は、本館の建築的価値を尊重し、高さを抑えた水平基調の構成を特徴とする。外装には、本館のテクスチャと呼応する素材を用いつつ、現代的なホワイトキューブの展示室やカフェ、ミュージアムショップを配置した。本館と新館を繋ぐガラス張りの通路は、庭園の緑を内部へと導き入れ、歴史的遺産と現代建築、そして豊かな自然が一体となる回遊動線を創出している。都心の杜の中に建つ貴重な歴史空間を次世代へ継承しつつ、多様な企画展に対応可能な現代的美術館へと進化させた。
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